31。

2001年10月31日

31日は
サーティーン・ワンアイスクリームが安くなる日。


目覚めると
端の欠けた石畳の部屋に閉じ込められて居た。
冷たくて黴臭い無駄に大きな部屋。
壁の中央の小さな窓を覗くと
蒼い空と何処までも広がる針葉樹の森。
エバーグリーンの空気に圧倒されて眩暈を覚える。

日が沈めば
大きく曲がった鼻に
ぎょろっと出たまん丸い目の魔女がやって来る。
こんなに高い塔の上では
やって来れるのは箒に乗った彼女だけ。
毎日頭を撫でてキスしてはまた飛び去って行く。


叫び尽くして声は嗄れた。
泣き尽くして涙は尽きた。


醜く優しい優しい魔女。
そうやって閉じ込めるのなら
最初から自由など見せないで。

あたしは非力でその足枷を、鎖を断ち切れないのだから。

街ではお菓子を強請る子供達の声が聞こえるのだろう。
その可愛いお顔を白く塗って。
その可愛いお鼻を赤く塗って。

もうすぐ自身がお化けになる事も知らずに。

お化け屋敷のこの世界では
仮装する事でしか生きて行けない。







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萌

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